6月の天体ショー

By 2022年6月9日NEWS

2022年6月6日11時00分

6月中旬~下旬、明け方の空にすべての惑星「土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星」が勢ぞろいします。夜間にすべての惑星が地平線の上に昇っている機会はなかなかありません。

このうち、肉眼でも見える明るさの惑星は「水星、金星、火星、木星、土星」の5つです。水星は高度が低いため、地平線の開けた場所からお楽しみください。

「海王星」は約8等と大変暗いため、残念ながら肉眼では見ることができません。「天王星」の明るさは約6等と、目が良く夜空の暗い場所で観察すれば、なんとか見ることができる明さです。望遠鏡などをお持ちの方は、海王星と天王星の観測にチャレンジしてみてください。

また、6月中旬~下旬は月が次々と惑星に接近するため、こちらも注目です。

惑星の中で最も空に昇るのが早いのは「土星」です。夜遅くには東方向の空に昇り、明け方には南方向の空高くにある姿を見ることができます。

18日(土)夜遅く~19日(日)明け方には、土星に月が接近するため注目です。

▼昇る時間(東京)
・土星 18日(土)22:24
・月  18日(土)22:45
・太陽 19日(日)4:25

22日(水)の未明~明け方には、東南東~南東の空で下弦過ぎの月が木星に接近します。なお、月と木星の最接近は21日(火)23時59分頃です。

少し夜更かし、あるいは早起きをして、明るい木星と月の接近をお楽しみください。

▼22日(水)の昇る時間(東京)
・木星 0:01
・月  0:15
・太陽 4:26

23日(木)の未明~明け方には、東~東南東の空で月と火星が大接近して見えます。月と火星の最接近は4時18分頃です

23日(木)の昇る時間(東京)
・火星 0:37
・月  0:41
・太陽 4:26

26日(日)の未明~明け方には、東北東の低空で細い月と「金星」が接近して見えます。

明けの明星の金星は約マイナス4等と、大変明るく輝きます。地球照を伴った幻想的な細い月と、非常に明るい金星の共演は必見です。

日の出1時間前の高度は15度前後と低いため、東北東の空が開けたところからお楽しみください。

▼26日(日)の昇る時間(東京)
・金星 2:30
・月  2:05
・太陽 4:27

「水星」が16日(木)に「西方最大離角(※)」を迎えます。普段は観測の難しい水星が、6月中旬~下旬にかけて日の出前の東の低空に姿を見せるため注目です。

今回は西方最大離角を迎えたあとの方が高度が高くなり、観測しやすくなります。18日(土)~27日(月)頃は、水星の高度が8度を超えそうです。

27日(月)には月と水星の接近もあります。空の低いところで見えるため、東北東の地平線の開けた場所からお楽しみください。

※最大離角とは、地球よりも内側を公転する内惑星(水星や金星)が、地球から見て最も太陽から離れる角度に位置することをいいます。地球から見て内惑星が太陽のもっとも東にあるときを東方最大離角、また反対に最も西にあるときを西方最大離角といいます。

▼昇る時間(東京)
・16日(木) 西方最大離角
水星 3:13、月 0:56、太陽 4:25

・21日(火)
水星 3:09、月 5:38、太陽 4:25

・27日(月) 月と水星が接近
水星 3:12、月 2:40、太陽 4:27

6月の月は、14日(火)20時52分頃に満月の瞬間を迎えます。

アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。

農事暦(The Old Farmer’s Almanac)によると、アメリカでは6月の満月を「ストロベリームーン(Strawberry Moon/苺月)」と呼ぶことがあるそうです。

実際に月がイチゴのような色に見えるわけではありません。昇りたてのお月さまはイチゴのように赤っぽい色に見えますが、これはこの時期特有のことではなく、夕焼けが赤く見えるのと同じ原理です。

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